助成金・補助金について続き

今日は、前回の助成金・補助金についての続きを掲載しました。今、様々な助成金や補助金が出ています。うまく利用して、貴社のビジネスの発展にご活用ください。

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(2)補助金制度と助成金制度との比較 ~主な特徴と違い

 これまでに,国や地方自治体などによる補助金制度と助成金制度の共通点を見てきました。一方で,補助金制度と助成金制度との間には違いもあります。その主な違いは次のように整理することができます。

助成金・補助金制度の説明

このように比較してみると,補助金と助成金との間には大きな差異があること,がおわかりいただけるのではないでしょうか? 
特に,「目的の違い」は,手続き・申請における手間のかかり度合い,取得のしやすさにも影響を与える面がありますので,しっかりと押さえておきたいポイントです。

(3)国が実施する補助金・助成金制度例

 国が実施する補助金・助成金制度には,たとえば次のようなものがあります。

①補助金制度

補助金制度として,たとえば次のようなものがあります。ただ,その性質上,「随時募集」となる点,つまり,長期間に渡って申請できるものではない点には,特に注意が必要です。

・創業支援等事業者補助金
・事業承継補助金
・サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT補助金,ものづくり補助金,小規模事業者持続化補助金) など

②助成金制度

助成金制度としては,たとえば次のようなものがあります。

・キャリアアップ雇用奨励金
・キャリア形成促進助成金
・雇用調整助成金

(4)地方自治体が実施する補助金・助成金制度もある

 補助金・助成金制度は,国が実施するものだけではありません。都道府県が実施するもの,市区町村が実施するもの,というように,地方自治体が実施するものもあります。
 ただし,地方自治体が実施する補助金・助成金制度は,地域ごとに特徴があります。ある地域では制度化されているのに別の地域では制度化されていない,ある地域では対象範囲なのに別の地域では対象範囲にならない,ある地域では補助・助成額が多いのに別の地域では少ない,といった場合があります。また,年度によって実施される場合もあれば,実施されない場合もあるなど,まちまち,です。
これは,各自治体に予算があり,また,解決すべき課題の優先度合いが異なる,といった面があることにより起きている,と言えるでしょう。
たとえば,ISO認証取得における補助金・助成金を例にすると,東京都荒川区と中央区とでは,次のような違いがあります。
<ISO認証取得における補助金・助成金制度の地方自治体による違い_例>
ISO東京都23区助成金例
いかがでしょうか? そもそも補助金か助成金かの違いがあることがおわかりいただけるでしょうし,対象となる認証範囲も異なります。また,その額も異なることが確認できます。
よって,特に地方自治体が実施する補助金・助成金制度に関しては,自組織・自社の所在地ごとに情報入手することが必要になるのです。

3.補助金制度・助成金制度利用にあたっての大まかな流れ

 補助金制度・助成金制度の,有無,対象範囲,補助・助成額,補助率・助成率は,その制度を運営・運用する自治体によって異なるわけですが,申請~交付までの大まかな流れは,以下のようにほぼ共通しています。

(1)利用できる補助金制度・助成金制度を探す

 まずは,利用できる補助金制度・助成金制度を探すところからがスタートです。管轄官庁(厚労省,経産省,中央企業庁など)や各地方公共団体(都道府県,市区町村)が,それぞれホームページ上や官報などで情報提供していますが,それぞれバラバラに情報提供している,という実態があります。
「こまめに確認」ができればよいのですが,特に補助金の場合は,申請対象となる期間が短いなどの特徴もあります。もちろん,かかるコストにもよりますが,場合によっては,情報収集を外部に委託する,というのも,ひとつの考え方ではあるでしょう。

(2)申請する

利用したい補助金制度・助成金制度が見つかったら,募集要項や申請書などをホームページからダウンロードするなどして入手し,必要書類を整備した上で事務局に申請することになります。
申請書類の整備にあたっては,細かな要件にまで一つひとつ対応するのが基本です。その整備に時間を要するものである場合もありますので,時間の確保も含めて,体制整備を行うことは非常に重要です。

(3)審査

 審査は書面のみで行われる場合もあれば,書面に加え,現地調査やプレゼンなどが必要となる場合もあります。プレゼンが必要になる場合には,複数回に渡るケースもありますので,こちらの面からも,時間の確保が重要になる,と言えます。

(4)交付通知

 審査を受けると,最終的に補助金・助成金が交付されるかが決定します。選考の結果を受け取り,交付対象となったら,案内に従って交付申請書を事務局に提出します。

(5)事業の実施

対象となる事業は交付決定された内容に限られます。つまり,申請したことのみ,事業として実施ができる,ということです。途中,事業内容を変更する必要が出てきた際には,変更の前に,計画変更申請を提出する必要があります。
途中では,事務局による中間審査が行われる場合もありますので,事業着手後は,対象となる範囲のエビデンス(証拠書類の整備,経費の領収書管理など)を整理しておくことが重要。場合によっては「交付取り消し」となる場合もありますので,要注意です。

(6)実施報告~補助金・助成金の交付

補助金・助成金の交付は,基本的に「事後」です。事業の実施経過・結果を,エビデンスとともに報告書として整理する必要があります。事前の申請通りに適切に実施されたことが確認されてはじめて,補助金額・助成金額が確定することになります。

4.補助金制度・助成金制度を有効活用するために ~ 利用上の注意点

 このように,補助金制度・助成金制度は,組織・企業の強い味方,と言うことができる一方で,相応の手間暇がかかるものでもあります。最後に,補助金制度・助成金制度の利用にあたって,特に注意しておきたいポイントについて,くり返しの部分も含めて確認しておきます。

(1)交付は事後

補助金・助成金が交付されるのは,「事後」。つまり,自己資金で先に各経費処理を行う必要があるため,その確保が必要という点で注意が必要です。
また,補助金・助成金は,請求したらすぐに入金というわけでもありません。多くの場合数カ月後に交付されることになる,という点も押さえておく必要があります。

(2)あくまで,補助・助成である ~かかった経費全額ではないものがほとんど

助成金は雇用・労働環境の改善の結果に対して,つまり,その努力に見合った対価にとして交付されるものです。
また,補助金は,国や地方自治体の政策目標に対する貢献に対して,交付されるもの。相応の社会貢献ができることが見込まれる事業に対して,その達成にかかった費用を補うもの,という位置づけです。その事業が,「社会的に意義があり,かつ,成長できる見込みがあること」が前提だからこそ審査がある,ということを忘れてはならないでしょう。

(3)早い者勝ちの側面がある

 補助金・助成金は,その制度を運営・運用する側にも「予算」が存在します。つまり,どんなに条件を満たすものであったとしても,「予算切れ」で,交付対象とならないケースも現実問題として発生します。補助金・助成金を申請するということであれば,早め早めの行動が重要になるという点も,しっかりと理解しておくことが大切です。

(4)募集要項のポイントを一つずつしっかりと押さえた申請を!

補助金・助成金制度の利用にあたっては,募集要項のポイントを一つずつしっかりと押さえた上での資料整備が重要です。特に補助金の場合は,募集要項で示されたポイントのすべてに対応した申請書類の整備と,現地調査やプレゼンの準備が重要です。「その事業が,本当に社会貢献でき,持続でき,成長できること」を「証明すること」が要求されます。
その意味で「申請内容に論理的な矛盾がないのか?」という視点も重視されることになります。たとえば,申請に売上・利益計画が求められているとした場合,「売上・利益が伸びているのに,投資がされていない」というような申請内容となっていると,「ナゼ,投資がされていないのに,売上・利益が伸びるのか?」という疑問が出てきますし,そのタイミングも「投資が先,売上・利益は後」というのが,事業の基本でしょう。このような「論理性」にあたる部分も審査のポイントなのです。
これらの視点でのチェックを,自組織内のみで行うのはなかなか難しい場合もあるかもしれません。そのような際に,客観的な視点でチェックを受ける,という意味で,外部のコンサルティングを受けるという手段を選択するのも一つの考え方,と言えるのではないでしょうか。