4.RPA導入におけるリスク3 ~ 業務のブラックボックス化
 RPAで行っている業務を,「RPAに指示を出すだけ」「RPAの実行ボタンを押すこと」というように理解してしまい,そこで行われている業務の中身やその価値を理解していない担当者が増えていってしまうというリスクがあります。
このリスクは,RPA導入当初は顕在化しません。問題になるのは,「より業務改善を進めよう」「他システムを改訂しよう」といった時です。その時になって初めて「その業務の意味」を誰も理解しておらず,「この処理を改定したり失くしたりしていいのか,問題ないのか」といった判断ができなくなるのです。

このようなことがないようにするには,業務フロー・ビジネスプロセスを明確にし,かつ,可視化することです。RPAの中には,業務フローを確認できるものもあり,それを選択するという方法もあります。しかし,それだけでは不十分でしょう。業務フロー自体は可視化されていても,各業務プロセスが「何を目的に」「どのような価値があって」行われているのかまではわからないからです。つまり,業務フローの可視化だけでなく,「業務の価値の可視化」が非常に重要になるのです。

 
 RPA導入によるリスクとしては,その他にも,本来権限のない担当者がアクセスでき,RPAの処理を実行できてしまうといった「不正アクセス」のリスクや,場合によってはその処理にまつわる「情報漏洩」といったリスクも考えられます。もちろん,これらは「正しい権限設定」などの対策によってリスクが回避できます。
 
 いずれにしても,RPAを導入する場合には,他のITシステム同様,リスクはあるということ,そして,その事実を正しく理解し,適切な対策を取る必要がある,ということです。
 一方でこれらは,業務を定義するユーザーサイドなのか実装するシステムサイドなのかを問わず,IT関連の業務にきちんと携わったことのある方にとっては目新しいことではありません。特に,業務を定義し,業務フローを可視化するといったことは,一般のオフィスワーカー,つまりユーザーサイドの人にも必要な力。場合によっては,その事前教育も含めてRPAの導入を検討することが重要だ,と言えるかもしれません。

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